2007年2月12日月曜日

To the Stockholders of Berkshire Hathaway:1977年

  Warren E. BuffettによるBerkshire Hathawayの株主への手紙(To the Stockholders of Berkshire Hathaway Inc.:)1977年度は、Berkshire Hathawayのホームページで公開され
ている
http://www.berkshirehathaway.com/letters/1977.html

  全社的な業績の報告と、それぞれの事業分野の報告をWarren E. Buffett自身の手紙と
して書いているが、これは本当にバフェット氏自身の手紙であると思っている。

  全体には、年初に予想した範囲で業績は推移しており、株価が上がっていることと、前年
度より高い配当を行える条件であることを報告し、繊維、保険、保険投資、銀行、ブルーチッ
プに関する報告を行っている

  Warren E. Buffettの会社評価を通じて、ブランド・マネージメントを研究しようと言う、この
ブログの趣旨から言って、この年のほとんどの記述にはあまり興味が持てないが、以下の数
箇所に注目して翻訳してみた

Insurance companies offer standardized policies which can be copied by anyone.Their only products are promises.It is not difficult to be licensed, and rates are an open book.There are no important advantages from trademarks, patents, location, corporate longevity, raw material sources, etc., and very little consumer differentiation to produce insulation from competition. It is commonplace, in corporate annual reports, to stress the difference that people make. Sometimes this is true and sometimes it isn't. But there is no question that the nature of the insurance business magnifies the effect which individual managers have on company performance. We are very fortunate to have the group of managers that are associated with us.

 保険会社の政策は標準的で誰にでもまねできるものです。彼らの製品は「約束」です。許認可の獲得も容易であり、利率は公開されています。商標、特許、会社の立地、社歴の長さ、原材料など競争に勝つ重要な要素はありません。また、会社間の違いが分かる消費者もほとんどいません。どの会社もコーポレート・アニュアル・レポートなどでは自社の特徴を強調しますが、時として真実もあり、時として真実とは異なっている事があります。保健ビジネスでは、疑いも無くマネジャー個人個人の能力が会社の業績に大きく関係します。その点では、能力の高いマネージャー組織を持つ我々は大変幸運であると言えます。


We select our marketable equity securities in much the same way we would evaluate a business for acquisition in its entirety. We want the business to be (1) one that we can understand, (2)with favorable long-term prospects, (3) operated by honest and competent people, and (4) available at a very attractive price. We ordinarily make no attempt to buy equities for anticipated favorable stock price behavior in the short term. In fact, if their business experience continues to satisfy us, we welcome lower market prices of stocks we own as an opportunity to acquire even more of a good thing at a better price.

 我々は投資の判断に対して、自社価値観を完全に適用しています。我々はビジネスとはこうあって欲しいと思っています(1)我々に理解出ること(2)長期的な見通しで運営されること(3)正直で有能な人によって運営されていること(4)大変魅力的な価格で提供されていること 通常我々は、短期的な魅力を持つ銘柄に対して注目することはありません。実際、株価が市場で高騰する事よりも、ビジネスで我々を満足させてくれることを好みます。


Shareholders of Berkshire Hathaway Inc. may obtain the annual report of Blue Chip Stamps by requesting it from Mr. Robert H. Bird, Blue Chip Stamps, 5801 South Eastern Avenue, Los Angeles, California 90040.

 バークシャー・ハサウェイの株主の皆様は、ブルー・チップ・スタンプへアニュアル・レポートを請求する事ができます。報告はRobert H. Bird氏により書かれています。住所は5801 South Eastern Avenue, Los Angeles, California 90040です。

2007年2月4日日曜日

はじめに

  Warren E Buffetについては、随分多くの研究書が出てしまっている。

  投資会社バークシャー・ハサウェイのCEOで、マイクロソフトのビル・ゲイツに継いで世界2位の資産保有者であるという事意外に、6歳で商売を始めて14歳までに大人と同じだけの給料を稼ぎ出すという志で商売を始めたこと。などなど

  すでに有名な言葉も数多くある「円塾」というサイト(http://www.enjyuku.com/k/kp16.htm)に
バフェット研究というコラムがあり、そこには以下のバフェット氏の投資に対する考えが、バフェット氏の言葉を引用して書かれている。


  「底値で買わなければならない、ということではありません。その企業が持っていると自分が考える価値より安いこと、そして正直で有能な人々によって経営をされていることがポイントです。逆に言えば、株価がその企業の価値よりも安く、しっかりとした経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことが出来るのです。」

  投資に対する考え方ではあるが、言い変えればバフェット氏自身が、良い会社とはどんな会社の事を言うのかについて述べたこと、とも言える。
  バークシャー・ハサウェイの最高経営者であるバフェット氏の、会社経営のありかたが伺える。


  「価格とは、何かを買うときに支払うもの。価値とは、何かを買うときに手に入れるもの」

  「株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これにつきます。」

  上の言葉を裏付ける実に単純明快な判断基準。つまりバフェット氏は、良い会社が、その会社に対して自分が判断する価値を下回った値段で買えるときに買い、その会社が良い会社であり続ける限り保有し続ける訳ですから、バークシャー・ハサウェイの株主には自分の行った投資や売却の判断について、同様の基準で報告をしてきたことだろうと伺えます。


  「偉大な企業とは、今後25年から30年、偉大であり続ける企業のことです」

  「周囲の人からそれなりの評判を得るには20年かかる。だが、その評判はたった5分で崩れることがある。そのことを頭に入れておけば今後の生き方が変わるはずだ」

  「ブランド」を「大きな意味での企業の評判」と言い換えると、バフェット氏の判断や実行した事柄からブランド・マネージメントに関する、良い学習が出来ることはよく分かりますよね

2007年2月1日木曜日

ちょっと変わったウォーレン・バフェットの研究です

  「世界で2番目の富豪」「投資の神様」など、ウォーレン・バフェットに対して与えられた称号は色々あります。

  そして、ウォーレン・バフェットの研究は「語録」について、「投資技術」についてがほとんどです。Mixiなどでバフェットのコミュニティーを覗いても、様々な書籍を読んでも、投資、投資、語録で一杯です。

  私は、ブランド・マネージャーとしてのウォーレン・バフェットに従来より注目してきました。1974年にバークシャー・ハサウェイを買い取ったバフェットが、行ってきた行為として最も注目しているのが「To Share holders」という、株主宛の手紙です。毎年、欠かさず、時には年に数回発行されています。

  この手紙は、バークシャー・ハサウェイのホームページに総て公開されています。

  このブログでは、バークシャー・ハサウェイのホームページに公開されているウォーレン・バフェットの株主宛の手紙「To Share holders」を少しづつ読みながら、株主のゆるぎない信頼を長年にわたり勝ち取っているウォーレン・バフェットのコーポレートのブランディング・コントロールを研究してゆきたいと思っています